アカバナ−赤花
 Epilobium pyrricholophum
 2007.9.2(六甲-700m)、2017.8.11(入笠山-1750m)


 山麓や野原の湿地帯で見かける花である。4弁の可愛いピンクの小花は、その雌しべの先端が丸い球状になっている。花が落ちた後の花茎が棒状に伸びてあちこちに付きだしているのも特徴である。葉は茎を抱き、葉柄が無く、基部が太い楕円形で、鋸歯がある。葉や茎が赤みを帯びることもある。
 アカバナ属にはアカバナ、ミヤマアカバナ、トダイアカバナなどがあるが、イワアカバナは雌しべが棍棒状でなく、丸い頭状になっている。平地で見られるのはアカバナだけで、ミヤマアカバナは中部地方以北の高山で、トダイアカバナは長野県以西の深山で見られる。花弁は4枚で、先端が窪んで2つに割れている。
 学名は Epilobium pyrricholophumで、アカバナ科アカバナ属の多年草である。花期は7−9月。日本全土で見られる。

赤みを帯びた棒状の花茎の先にピンクの花を付ける。(2017.8.11、入笠山)


葉は茎を抱くことが多く葉柄はない


花弁は4枚で、中央の切れ込みはイワアカバナより少ない


雌しべの花柱が棍棒状になっている。(六甲高山植物園 2007.9.2)


イワアカバナの雌しべは球状である。(伊吹山、2007.8.8)


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