最近は関東だけでなく遠くに足を伸ばされる熊ちゃんから「平湯の大ネズコ」の写真が届いた。迫力があり美しい写真である。初めてこのネズコを見に行ったのは、もう14年も前である。平湯は、高山市から上高地に向かう158号線が長野県境の安房峠にかかる手前にあり、ここから分岐して奥飛騨温泉郷や乗鞍岳に至ることが出来る要衝である。1300mの高原の木々は美しく、高山植物の花々も迎えてくれる。 平湯バスターミナルから南に600mほど歩いて、大滝川の橋を渡ったところに平湯キャンプ場がある。バンガローがありオートキャンプもできる。管理事務所の横を通る山道から右に入っていくが、案内表示がある。20分ほど急坂を上るとネズコ展望用の木組みがあり、ここから間近にその勇姿を見ることが出来る。 樹高23m、幹周7.60m、樹齢は1000年と言われる。大正時代に平湯を中心に村人の社会教育に力を尽くした篠原無然は自然保護の大切さを説いたが、その一つの象徴として、村人達はこの「平湯大ネズコ」を大切にしてきたという。岐阜県の巨木100選の55番目にあたり、「森の巨人たち100選」にも入っている。なお、ネズコは通称で、学名はクロベ(黒檜)である。 ネズコを訪れた帰りには、是非「平湯大滝」を眺めに行きたい。平湯温泉側に引き返して、大滝川の北を右折して1km余りで滝が望まれる。紅葉の向こうにかすんで見える大滝の姿は、なかなかの風情である。 |