オオハナウド−大花独活
 Heracleum lanatum var. asiaticum
 (2012.7.25(層雲峡−650m))


 数十年ぶりに層雲峡を訪れた。道はすっかり綺麗になってアクセスは容易だが、せっかくの断崖絶壁に沢山木が生えて、柱状節理が見にくくなっているのは残念である。層雲峡温泉には瀟洒なホテルが並び、温泉宿の風情よりはリゾート地という感じである。外国客に人気があるようで、バスの中でも黒岳へのロープウエーの中でも日本語は少数派であった。その層雲峡でレンタサイクルをして銀河・流星の大滝に出かけた。大雪山の残雪を集めて落ちる見事な滝である。
 滝への途中に沢山のオオハナウドが咲いていた。ハナウドとの区別が難しいが、ハナウドは本州に限られているので、写真のものは間違いなくオオハナウドである。白い小花が集まった見事な花冠を持つ大型の花としては、ミヤマシシウド、ハクサンボウフウ、エゾニュウなど沢山あるが、ハナウドは一目でわかる。それは、花冠の花の中心部と比べて周辺部の花が大きいからである。このような特徴を持つものはハナウド属しかない。本州北部ではハナウドとオオハナウドが混在するが、最下段の写真のように、葉の大きさから区別することが出来る。
 学名は、Heracleum lanatum var. asiaticumで、セリ科ハナウド属の多年草である。氷ノ山以北の本州と北海道で見られる。花期は7-8月。

7月下旬、層雲峡で撮影したオオハナウド


分岐部の鞘も発達して茎を抱く


総苞片は数が少ないが、小総苞片は発達している


球状の散形花序


花は5弁で、周辺部の花は花弁が大きく発達して非対称


オオハナウドの葉は花冠に比べて大きい


ハナウドの葉は小さく、細く分裂する


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