ハクサンボウフウ−白山防風
 Peucedanum multivittatum
 (2009.7.8(立山弥陀ヶ原−2000m)、2009.7.15(栂池自然園−1850m)


 中部地方以北の高山で最もよくお目にかかる花の一つがハクサンボウフウであろう。30−50cm程度の高さになり、茎の先端に多数の白い散状花序の花を付ける典型的なセリ科の花である。これまでに出かけた大抵の山で写している。シシウド、ハナウド、ミヤマトウキ、アマニュウなどの大型種に比べるとずっと小さいが、どの山でも見つかる。花期は7-9月で、小さな5弁の白い花から先端が黒紫色の雄蘂が突き出ている。花弁の先は深く凹む。
 総苞片・小総苞片共に無いのが特徴の一つで、茎の分岐部には鞘があって茎を抱く。葉は3-5裂する羽状の小葉からなり、小葉はやや幅があって卵状である。周囲には荒い鋸歯がある。小葉がさらに細く切れ込んだものをキレハイブキボウフウと言う。
 学名は、Peucedanum multivittatumで、セリ科カワラボウフウ属の多年草である。中部地方以北の本州と北海道の高山に分布する。

7月初旬の立山弥陀ヶ原で写した全体写真。高さ50cm程度。3裂した小葉が見える。


小葉が典型的な形をしている


花は黒い雄蘂が目立つ。総苞片・小総苞片がない。(7月中旬、栂池自然園)


葉は小葉が3裂した羽状複葉。先端が尖っているものもある(キレハへの移行型か)


キレハハクサンボウフウとの中間種


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