アマニュウ−甘にゅう
 Angelica edulis
 (2011.7.13(乗鞍高原−1500m)、2011.8.20(霧ヶ峰−1640m))


 アマニュウも高山の草原に生える大型の植物で、遠目にはミヤマシシウドと区別が付かない。近寄って葉を見るのが最も確実なように思われる。小総苞片は少ないので、ミヤマシシウド(小総苞なし)と区別できないことが多い。
 特徴を整理してみると、(1)高さが1−3mに達する。(2)よく分岐して茎の先端に花冠を付ける。(3)総苞片はなく、小総苞片は少しある。(4)花は5弁。ミヤマシシウドより花の密度が低い。(5)葉は大型で3裂し、丸みを帯びる。表面は無毛(ミヤマシシウドは有毛)。
 学名は、Angelica edulisで、セリ科シシウド属の多年草である。edulisは「食用になる」の意。アイヌ語源の「ニュウ」も食用になるの意味。茎に甘みがあるのでアマニュウと呼んだ。中部地方以北の山地および四国の石鎚山で見られる。花期は7月から8月。

7月中旬の乗鞍高原(1500m)、人の背丈よりも大きい



  総苞片の無いのはわかるが、小総苞片もほとんど見えない


8月下旬の霧ヶ峰(1640m)、種子が出来始めている


アマニュウの葉は、3裂して丸みをおびている。


ミヤマシシウドの葉は、細長い。先端の葉には3裂する物もあるが2つ目以降は分裂しない。


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