カナダのバンクーバー市の「火災を耐えた大ツガ」 (2007.8.28)


 賀恵淵の大シイを一緒に見に行った古賀先生が、お勤め先のブリティッシュコロンビア大学(UBC、University of British Columbia)近くの森にある大きなツガの木の写真を送って下さった。UBCは、カナダで最も季候の良い場所として知られるバンクーバー市の西の端、バンクーバー島を望む岬の先端にある。この大学と市の中心部との間には、大きな天然森が残されて、Pacific Spirit Regional Parkという公園になっている。この公園の散歩道で写されたものである。
 1908年にこの公園で大火災があり、多くの木々が災難にあった。写真の木もその一つで、無惨にも根元のほとんどを失ってしまい、残った部分も炭のようになっている。それでもなお、巨体を支え成長を続けている。驚くべき生命力である。大きさが解るようにと、古賀先生が幹に立てかけて下さった小枝が写っているが、この長さが1.4mと言うことであるから、根元から1.3mでの直径は3mに近く、目通り幹周りは9mになる。このような巨木が公園のあちこちにあると言うことであった。下段の2枚の写真は別な木で、こちらも幹周は6mを超しそうである。
 木の種類はマツ科のトウヒ属(Spruce、Picea ***)かツガ属(Hemlock、Tsuga ***)と言うことであったが、木の葉の感じから、一応Western Hemlockとした。カナダ西岸に分布する代表的な木の一つである。

火災にあって根元が2本足のようになった大ツガ




根元が空洞となり炭化した大ツガ



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