茨城県波崎町の「波崎(はさき)の大タブ」 (2002、小森さん)


 四方に大枝を広げた姿が迫力にあふれている。この大きな手で、押し寄せた野火を防いだとして「火伏の木」とも呼ばれてきた。それ故、火伏の護摩を焚いて、家内安全を願うという信仰の対象になっている。その大タブの迫力を、小森さんの写真は見事にとらえている。
 樹高15m、幹周8.2m、樹齢は千年以上と伝えられ、茨城県の天然記念物に指定されている。また、「日本名木100選」の一つにも選ばれている。タブの巨木としては、府間の大楠が最大級である。ほかに古里附のイヌグス、石川県の富来町大福寺の木が有名である。ただ、いずれもかなり弱っており、元気なこの木の実質的な順位はかなり上位である。
 波崎(はさき)町は、利根川と鹿島灘に囲まれた細い陸地の先端にあり、対岸は銚子市である。JR銚子駅から出る鹿嶋行きのバスに乗って「舎利寺前」で降りて歩く。木の管理者は神善寺となっている。





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