5年前に東京の田中さんから「府間の大楠」の写真を送っていただいた。この木は永く「楠」と呼ばれてきたが、実は「タブ」であると判明したことで、よく知られている。一度見たいと思っていたが、何しろ東京からは結構遠い上に、交通の便も悪くなかなか行く機会がなかった。先日、柏に嫁した娘夫婦の宅に泊めてもらう機会があり、同じ千葉なら車で行きましょうと夫君に元気づけられて、初めて対面がかなった。 千葉県でもこの辺りは、イギリスのヒースの原野を思い起こさせるような平らな湿地帯が続く。ここに古城でも建っていればハリーポッターの世界である。この府間の大楠も、年を経て、根が上がり異様な樹形である。主幹は殆ど命を失いかけているのが残念であるが、若い幹が途中から育って若々しい葉を付けているのが救いである。 樹高は20mほどであるが、幹周は8.5m、根回りは27.5mもある。国の天然記念物に指定されており、樹齢1300年と伝えられる。タブノキとしては最大級の幹周で、環境庁調査では第3位に数えられている。 |