名の知れた杉である。標高1100mの甲州街道笹子峠にあって、昔から有名であった。軍勢がここを通過するとき、この木に矢を射立てて戦勝を祈願したので「矢立杉」の名が付いた。古来、色々の書物に記述され、浮世絵にも描かれている。以前に小森さんから送っていただいていたが、掲載の時機を失していた。今回、瀬川さんから新しい写真が届いたので、一緒に掲載させていただいた。 樹高26.5m、幹周り9.0mで、県の天然記念物である。主幹は21.5mのところで折れて、中は空洞化し梢の一部は枯れているが、それでも堂々とした姿を保持している。根方には穴があってここから幹の内部に潜り込むことが出来るが、木のためには可哀想である。 JR中央線の笹子駅で降り、新田行きのバスで終点まで行って甲州街道を更に20分ほど歩くと、笹子峠の手前にこの杉がある。 |