岐阜県恵那郡の「加子母の杉」 (1998.7.21)


 岐阜県には杉の巨木が多い。環境庁調査によると、特別天然記念物である「石徹白の杉」(14m)が第5位、「弁慶杉」(13.6m)が第7位にランクされているが、 これ以外に石徹白の「浄安杉」(12m)、「加子母の杉」(12m)、 「神明神社の杉」(11m)、「禅昌寺の杉」(10m)など、10mを越すものが 沢山知られている。今回は、「加子母の杉」を訪れた。
 JR高山本線の下呂で降りて、駅前から木曽路の「坂下」行きのバスに乗る。 一日に4本のバスが出ている。途中の「舞台峠」で降りて、左手後方の海洋センター (プールのあるスポーツセンター)の横の道を下る。しばらく歩くと、 もう遠くに杉の巨木が見えてくる。写真のように立派な独立木である。 近づくと、大杉地蔵尊の社が杉に守られるように建てられている。 地蔵尊といっても、鐘楼のある立派なものである。
 実にすばらしい木である。均整のとれた根方は20mという根周りの太さを 感じさせない。木は何度も落雷などを受けて樹頂が平らになり4平方メートル もあると言うことである。高さはさほどに感じられないが、すっくと立った姿は美しい。売店の床几に腰掛けて眺めていたが、見飽きることがない。説明によれば、 高さ30.8m、目通し幹周り13m、根周り20m、樹齢千数百年という。大正13年に 国の天然記念物となり、村をあげて大切に保存されてきた。
 建久5年(1194年)源頼朝がこの地に立ち寄り、西方300mにあった老朽著しい 地蔵尊を、この杉の下に移すがよいと告げたと言われ、その後地蔵尊は 大地地蔵として繁栄したと伝えられている。




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