神奈川県山北町の「中川の箒杉」 (2001.10)


 以前に篠沢さんから送っていただいた、神奈川県第一の巨木「箒杉」の写真がとても印象的で、機会を作って是非出かけたいと思っていた。出張が週末にかかったのを幸いに思い切って出かけた。小田急線の新松田から西丹沢行きのバスが一日8本ある。人工湖である丹沢湖を越えて更に細い道を奥にはいると、箒沢の部落の手前に「箒杉」というバス停がある。ここからは、川岸にそびえ立つ箒杉が目前である。
 山々に囲まれ、谷川を見下ろして悠然と立っている。素晴らしい木である。日本各地色々なところに杉の巨樹があるが、こんなに恵まれた土地に育つ杉は少ない。そのせいか、杉の表情がおだやかでいかにも楽しそうに見える。この地に立って千年以上、人と自然の移り変わりを静かに眺めてきたのであろう。とはいっても、昭和47年にあった集中豪雨の時のように、土砂崩れと戦うようなことが幾度もあったと思われる。このときには、この木が土砂崩れを防いで部落を救ったと言われている。
 樹高45m、幹周り12.0m、樹齢は2000年と伝承され、国の天然記念物である。「ほうき杉」の名前の由来は、この地の名前の「宝木沢」からとったとも、杉の形が箒に似ているところからきたとも言われる。




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