豊田理研の西川先生と伊藤先生は、薄墨桜を見た後、更に奥深い岐阜県白鳥町の「石徹白の大杉」を目指して車を進められたが、上在所にある白山中居神社(はくさんちゅうきょじんじゃ)より先は残雪が深く、この日は大杉にであうことは叶わなかった。しかし、白山中居神社の杉の巨木群は岐阜県の天然記念物に指定されており、その壮大さに感動して戻ってこられた由である。 白山中居神社は720年頃に泰澄大師が社寺を整備したと伝えられ、イザナミ、イザナギ、ククリヒメノみことを祀る白山神社の一つである。標高は740mで、白山登山の中継地となっていたこの神社は全国の大名からの信仰が厚く、石徹白村は無税・帯刀を許された独立領であった。神社一帯は杉・ブナなどの自然林が拡がり、中でも中居神社内には150本を超える杉の巨木が育っている。環境庁調査には幹周5.9−6.9m、樹高30mの杉4本が登録され、岐阜県文化財図録には8.0−10.3mの5本が登録されているが、最大とされる杉は本殿裏にあるようだ。岐阜県はこれらの社叢にある杉・ブナなどをまとめて「白山中居神社の森」として、天然記念物に指定している。 白山中居神社までは、美濃太田から出る長良川鉄道の越美南線に乗って、美濃白鳥あるいは北濃駅で降りる。これらの駅を経由する白鳥交通のバスに乗り、終点の上在所で降りるとそこが白山中居神社の入口である。バスは1日3本で、うち1本はデマンドバスとなっている。 |