中島さんの故郷の巨木である。本当に山の奥の奥である。中島さんのメールには、「鹿足郡の、柿木村の過疎地の山奥、山口県の県境に古い神社があることを知り、里帰りついでに行ってきました。「良くぞ、まあこんな山奥に、」と、驚きました。数十年前まで、霊験あらたかな神社として、お祭りには他県からの参詣客が200人位きたそうですが、現在は神輿を担ぐ人もいないそうです。」とあった。今は過疎となったこの村にも、立派な神社があり、人々の生き生きとした生活があったはずである。この神社は立派な社叢を持ち、そこに育つ木々達は、何百年にもわたって村の盛衰を見てきたに違いない。 社叢を代表する木は、千年杉とも呼ばれる杉の巨木であり、樹高35m、幹周り6.3mで、樹齢は1000年と伝承される。ケンボナシは幹周り2.2mで、樹齢250年と推定されているが、ケンポナシでこれほど大きいものは珍しい。カツラは、幹周り10.36mで、樹齢550年といわれる。その他にもトチの巨木がある。この社叢は、柿木村の文化財に指定されており、ケンポナシと大栃は県の銘木100選に入っている。なお、愛宕神社は、1428年に津和野城主吉見弘信が建立したものである。 交通の便はなく、タクシーでないと行けない。益田から山口を経て小郡を繋ぐJR山口線の日原(にちはら)で降りる。ここから187号線を南下し、15kmで分岐を右折して県道新南陽日原線に入る。5kmほどで分岐があるが、道を左に取り、更に福川川に沿って10kmほど南下し、道標の所を右折して2kmで白井の集落に着く。ここに愛宕神社がある。車で行く場合には、中国縦貫道の鹿野インターで降りて約20km北上する。まず315号線を北に6km進んで、右に道を取って倉谷川を上る。分水嶺の小峰峠を越えて更に北上すると、道標があり左折して奥に2km進む。 なお、六日市町と柿木村は平成17年10月に合併して吉賀(よしか)町となり、柿木村の地名が消えた。 |