宮城県亘理(わたり)町の「称名寺のシイノキ」 (2000.11.7)


 仙台空港の近くに、日本では最も北と思われるシイの巨木がある。 自生ではなく温暖なところから移植されたものと考えられているが、 寒い気候のなかで良くこれほど大きくなったものである。
 JR常磐線で仙台から6つ目の亘理駅で降りて、南西方向に向かう。 ジグザグに道をとって南南西方向に1.5kmほど歩くと称名寺である。 駅から20-30分ほどかかる。
 称名寺の本殿の横の墓所の入り口にひときわ大きなシイノキが立っている。 まず、その形相のものすごさに驚く。幹には無数の深いしわがあり、 まるで板根を束ねたようである。3mほどの高さで数本の太い枝に分かれ、 いずれもが大きな手を振り上げたような格好で迫ってくる。 山門の仁王様よりも迫力がある。
 樹高14m、幹周10.2mで、推定樹齢は700年とされる。国の天然記念物である。 最近舞鶴近くでスダジイの日本最大のものが見つかったと言うことであるから、 この木は日本では4番目のスダジイということになる。
 墓所の中央に、もう一本、スダジイの巨木があり、こちらは幹周5mである。 小さいがやはりものすごい形相をしている。ここに柴田親子の墓があり、主君の 伊達宗貞を救うために相果てた親子の悲しい物語が残っている。




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