北海道利尻富士町の「利尻のミズナラ」 (2010.3.7、葭谷さん)


 日本全国430の有人島のうち270余島を既に制覇した葭谷さんが、雪の中を出かけた利尻島からミズナラの巨木の写真を送ってくれた。「巨木探訪」の中で見られる離島の巨木の写真の多くは葭谷さんの投稿である。
 北海道36番目になる「利尻のミズナラ」は冬の雪の時でないと近づけない場所にあると言うことで、貴重な写真である。葭谷さんのメールから引用しよう。
 「「利尻の主」は利尻山の北斜面の標高500m付近です。夏の登山道の右の沢を挟んだ尾根の付け根の辺りです。夏は沢や木々、熊笹等でいくことは出来ません。したがって雪の無いときの根回りは見た人は居ないと思います。そこから300m程登ると森林限界です。登山道の位置関係で見ると、おおむね4合目から5合目の間位と思います。
 昔、木出し(燃料の薪を切って麓まで山橇で運び出すこと)のひとが発見し、その大きさに、思わず、木出しの安全、家内安全、長寿を願ったとの事から、その名残でしめ縄を飾るようになりました。(その後)誰がやると決まっている訳でもなく、気がついたときに気がついた人がやっている状態です。」
 木の幹周は露地から1.3mで計るので、夏でないと正確にはわからないが、夏はアクセスできないと言うことで、不明である。環境庁調査にも利尻の巨木の記載がない。写真で後ろに立っている人の大きさから幹周を推測すると、しめ縄の位置で5m程度と考えられる。
 利尻島へは、千歳からの直行便がある。また、電車で稚内まで行き、ここから連絡船に乗っても比較的簡単に行くことができる。夏の礼文・利尻は「花の浮島」と宣伝され、沢山の人が訪れる。この間だけ宿泊料金が2倍程度に跳ね上がるのがシャクだが、確かに花の浮島と言うだけのことはあって、花の種類も多く見事である。この自然をいつまでも残したいものと思う。



葭谷さんが地図上に示された「利尻のミズナラ(利尻の主)」の位置


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