高徳線志度駅で降りて、台風性の吹き降りの中を10分ほど北西に歩いた。
ようやくたどり着いた「長覚寺」の庭を見て驚いた。松があったはずのところは
広い更地になっている。びっくりして寺の人に聞くと、傍らに積み上げてある
薪の束を指さして「数年前に枯れてこんな姿になりました」! 全く迂闊なことで、帰って小笠原隆三著「日本の巨樹・老樹」(西日本法規出版) を調べると、「最近枯死した木」の中にちゃんと書いてあった。 岡野の松は1991年の環境庁調査によると幹周9mで日本一の黒松となっていた。 2位は山形県最上町の松で幹周7.7mであるから、群を抜いていたことになる。 樹齢は500年以上と推定されていたが、ついに枯死した。 昔の写真を牧野和春著「巨樹・名木巡り(中国・四国)」(牧野出版) から借用した。今回撮った下の写真と比べてほしい。中国四国地方では山の松が ほとんど枯死している。岡野の松も同じ原因でやられたのであろうか。 残念なことである。 今、長覚寺の庭にはクスノキが「香川の保存木」の一つとして 残っているのみである。 |