静岡県河津町の「杉鉾別命神社のクス」 (2003.10.12、瀬川さん)


 伊豆半島にある3つの大楠の内、河津町にある楠の写真を瀬川さんから送っていただいた。これで熱海、伊東、河津と3つ揃ったことになる。このうち、熱海の楠は「来宮神社の大楠」と呼ばれ、河津の木も杉鉾別命神社が「来宮神社」とも呼ばれているので「来宮神社の大楠」と言われることがあって始末が悪い。ここでは、「杉鉾別命神社のクス」と呼ぶ。
 この楠は、樹高24m、目通り幹周り14m(環境庁調査では15.0mとある)の巨木で、樹齢は1000年以上と伝えられ、国の天然記念物となっている。静岡県の巨木3傑はこれらの3本の木で占められており、熱海の木は幹周23.9mで全国第2位、河津と伊東の木は同じ15mで、全国樹木中19位に並んでいる。河津地方には明治中期まで「河津郷七抱七楠」と呼ばれる大楠が7本あったが、今に残るのは、杉鉾別命神社のクス一本のみである。
 杉鉾別命神社は延喜式にも出てくる古い神社で、「来の宮様」とも呼ばれる。12月18日−23日の間「鳥精進、酒精進」という行事があり、氏子達は酒を断ち、鳥肉や卵を食べない。これは、杉鉾別命(すぎほこわけのみこと)が野原で寝ていたところ野火に囲まれたが、沢山の小鳥たちが羽根に水を含んできて羽ばたいて消火し、みことを助けたとの故事によるものである。
 伊豆急行線の河津駅で降りて、駅を横切る大通りを、北西方向に真っ直ぐ800mほど進むと、突き当たりに杉鉾別命神社に入る細い道があり、これを300mほどずんずん進むと神社である。



丁度、地元の人たちが祭り準備の最中でした。(瀬川さんの便りより)


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