埼玉県越生町の「上谷の大クス」 (2008.2.17)


 温暖な伊豆半島には楠の巨木が多いが、関東平野には少ない。しかし、関東地方第一位の幹周を持つ木は「上谷(かみやつ)の大クス」である。それは埼玉県越生町にあり、樹高30m、目通り幹周り15.0mの巨木で、県の天然記念物になっている。久しぶりに娘家族の車で連れていって貰った。
 関越自動車道を鶴ヶ島ICで降りて、JR八高線の越生駅に向かう。越生は梅林と蕎麦で知られた町である。駅の近くの蕎麦屋さんで名物の蕎麦を食べ、越生梅林へと向かう。2月中旬から「梅まつり」と言うことで、広大な駐車場が用意され、案内人の方が待機しておられたが、残念なことに殆ど梅は開花していなかった。昨年と違って厳冬の今年は、梅の開花が遅れたのであろう。我々は梅林を横に見て右折し、林道山入線に向かう。入口には「上谷の大クス」の表示がある。寂しいような林道に入り込んでいくとやがて山入林道支線との分岐があるが、ここは右手の本線を選んでずんずん進む。「本当にこの道でよいのだろうか」と心細くなった頃、前方に大きなクスノキが見えてくる。クスノキの手前に2,3台の車を止めることが出来、清潔な公衆トイレがある。
 林に分け入ると、巨大なクスノキの根方が見える。根元保護のために木の周囲に木道と階段がつけてある。景観になじまず少し残念な気もするが、保護のためとあれば仕方がない。クスノキは前方から見ると単木であるが、斜面に立ち後ろ半分が埋まっているため、裏から見ると2本株立ちのように見える。木道に沿ってぐるりと一周すると木の大きさが解る。流石、関東随一の幹周である。
 電車で行く場合にはJR八高線の越生駅で降りて徒歩になるが、ハイキングのつもりで歩く必要がある。越生梅林は面積が大きく、梅が開花すると見事であろう。今頃は沢山の人々で賑わっているに違いない。



表から見ると単木だが


裏に回ると2株立ちのように見える



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