福岡県築城町の「本庄の大楠」
 (2003.5.28、藤山さん)


 以前に藤山さんから送っていただいた北九州巨木の旅の写真の中で、「本庄の大楠」を掲載していなかった。この楠は、佐賀県にある川古の大楠と並んで、日本第3位とされる大楠である。
 樹高26m、幹周り21.0mで、樹齢は1900年と伝えられ、国の天然記念物に指定されている。この木は、明治23年に木の空洞内が火災のため焼失したが、若枝が生長し、樹木医の世話もあって、現在では力強く育っている。ただ、根元の幹は写真のように異様な形をしており、支柱で支えられている。根方の空洞の広さは10畳敷と言われる。
 この木のある大楠神社の古文書によれば、景行天皇が九州平定のため京都郡・御所ヶ谷に行宮を造営された時に楠を植え、戦勝を祈願したとあり、これから樹齢1900年と推定されている。
 大分県宇佐市の宇佐神宮は30年毎に神宮造営を行うが、その時、この樹木の下で「御杣始(みそまはじめ)祭」が執行される。御杣始祭は奈良時代に始まり、1856年(安政3年)で途絶えたが、1995年(平成7年)に139年ぶりに復活した。
 JR日豊本線の築城(ついき)駅から南西に10kmの所に本庄町があり、そこの大楠神社にこの木がある。築城駅から西鉄バスが出ていたが、今もあるかどうか定かでない。車だと、国道10号線の椎田バイパスの築城で降りて、237号線を城井川に沿って遡り、下本庄のバス停前を右にはいると大楠神社である。

天災に幾度遭えしかその形相(藤山さん作)


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