三重県御浜町の「引作(ひきつくり)の大楠」 (2000.7.26)


 三重県第一の巨木である。以前から機会をねらっていたが、 グループで志摩半島に出かけた帰りに足を伸ばした。交通はとても不便である。
 JR紀勢線の名古屋−新宮間を走る「ワイドビュー南紀」は結構あるが、 熊野−新宮間の各駅停車が少ない。名古屋からでも丸一日かかってしまう。 特急を熊野で乗り換えて阿田和で降りる。此処からタクシーなら10分ほど、 徒歩では40分以上かかる。阿田和駅から10分ほど線路伝いに南下して、 広い道に出たら右折して尾呂志川に沿って15分ほど歩く。此処で左折して橋を渡り 広い道を真っ直ぐに行く。三叉路に出たら左に道をとり5分ほど歩いて 小川に架かる橋のところで右折、部落の中の小道をずんずん登ると、 左手前方に大きな杉が見えてくる。木の陰は形ばかりの神社になっている。
 ながく歩いたせいで、木は一層大きく見える。元気な木である。 5m程のところから手を広げたように四方に伸び伸びと枝を伸ばしている。 樹高32m、目通り幹周14.4m、推定樹齢は1500年と言われる。 もちろん県下第一の巨木で県の天然記念物に指定されている。 明治44年に、この付近にあった7本の杉の巨木と共に切られることになったが、 これを知った南方熊楠が民俗学者として有名な柳田国男に至急便を送り、 その尽力で伐採を免れた話は有名である。




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