熊ちゃんから2013年に送っていただいていた見事な巨木、「猿喰(さるくい)のケヤキ」である。一度聴いたら忘れない名前であるが、この地の元の小字名と言うことである。ケヤキにはご存じのように巨木が多く、この木は幹周では十傑に入らないが、樹形の美しさからは文句なく十傑に入るだろう。 ただ、この木は茨城県と福島県の県境付近にあり、車で行くにしてもかなりの覚悟で計画を立てる必要がある。熊ちゃんも「このままでは、思っているだけの情けない爺さんになってしまうので、先日、頑張って行ってきました」と書いておられる。それにしても常陸太田市は大きな市である。2004年にケヤキのある里美村を合併して茨城県最大の面積を持つ市となった。南北に40kmの長さがある。猿喰のケヤキはそのほぼ北端の県境にあるからアクセスは大変である。しかし、それでも一見の価値がある。 猿喰のケヤキは樹高23m、目通り幹周8.8m、樹齢は約550年と推定され、県指定の天然記念物である。その様子を熊ちゃんが次のように書いておられる。 「ケヤキは、国道349号線を北上、右折して県道22号線に入り、案内板で斜め右、林道を進んだ所にあります。ケヤキは根元に岩を抱え、何本もの大きな枝を空に向かって大きく広げていました。見事な樹形で、堂々とした姿です。名前になっている「猿喰」は、この辺りの地名だそうです。又、このケヤキはモミジと共生していて、紅葉の時期にも素晴らしい光景を見せてくれることでしょう」 アクセスは、車でないと難しい(常陸太田市街から市民バスが出ているが、1日2便しかなく、時間的に無理である)。水戸から常陸太田市街を通って北行する国道349号線をどこまでも北上し、県境近くで右折して県道22号線に入る。1.5km程進むと目印の看板(最下段の写真)があり、これに従って右前方の林道に進む。林道を2kmほど進むと、目指すケヤキが迎えてくれる。県道22号線は、むかし里川集落へ向かう花園越えと言われた林道に平行しているが、このケヤキはその道の目印であり、旅人の憩いの場所であったと言われている。 |