6年前の大雪の日に初めて見た特別天然記念物の「東根の大ケヤキ」を、もう一度ゆっくり見たいと思っていた。今年は仙台で学会があったので、山形経由で帰ることにして、青葉の付いたケヤキの偉容を楽しみに出かけた。 小学校の周りはすっかり整備されて、城壁を連想させる垣根が作られ、ケヤキの横には大きなしめ縄まで添えてあった。観光客が次ぎ次ぎと訪れ、バスまでやって来ているのには驚いた。 自然の趣が失われたとはいえ、もちろん、木そのものは見事な風格を保っていた。先回見た、幹だけの姿とは違って、葉を付けたケヤキにはずっしりとした重量感がある。ケヤキの前の校舎の階段に腰掛けて、しばし時の経つのを忘れた。 目通り幹周り16m、樹高28m、樹齢は1500年と言われる。鎌倉時代に築かれた小田島城の本丸跡にあった2本の欅の内の一本である。大正15年に天然記念物、昭和32年には国の特別天然記念物に指定された。 JR奥羽本線の東根(ひがしね)で下車、東南東に1.5kmの東根小学校の校庭にある。 |