北海道札幌市の「小金湯温泉の大桂」
 (2003.6、西村さん)


 「木々の移ろい・巨木探訪」では北海道最初となる巨木の写真を、札幌在住の西村さんが送って下さった。出張途中に小金湯(こがねゆ)温泉で撮られた北海道一の大カツラである。北海道最初を記念するに十分な、素晴らしい迫力の画像に、しばし見とれた。以下は西村さんによる説明である。
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 札幌の奥座敷、定山渓温泉の数km手前に2,3軒の小規模な温泉、小金湯温泉があり、その旅館黄金荘の前に巨大な桂の木があります。国道230号線から200mほど入ったところです。文献A・B(後述)に拠ると「小金湯桂不動、目通り幹周り10.5m、樹高23m、推定樹齢700年、北海道記念保護樹木(昭和47年指定)、所有者:ホテル管理者:中谷豊治、中谷早友子」とあります。
 主幹は既に朽ちているようで、ひこばえが周囲を囲んで巨大な集合体を成しています。環境庁の調査にはない(?)ようですが、文献Aによると幹周りで全樹種北海道1位、文献Bによると桂の種別で幹周り全国9位とあります。言い伝えによると、定山渓温泉を発見した定山和尚がこの根方で仮寝を結んだ折に、夢枕に樹霊が現れ、衆生済度の霊泉の湧源を示したとのことです。明治初年のことだそうです。
 とにかく大きいのでカメラにはとても収め切れません。写真4は合成ですが、根本から見上げたときの迫力はなかなか表現できません。南北に割れ目があり、北側の割れ目には不動明王の石仏が納められています。南の割れ目は写真4に見る通りで、大風にやられはしないかと気掛かりです。今は樹勢が旺盛ですが、周りにどんどん建物が増えてきて、給水能力など将来が心配です。
  文献A:「北海道の巨樹・名木」(社)北海道国土緑化推進委員会
  文献B:「巨樹・巨木 日本全国674本」山と渓谷社 渡辺典博著)
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 札幌駅バスターミナルからは、「札幌国際スキー場」行きの定鉄バスが10−30分おきに出ている。小金湯温泉で降りるとすぐである。

西南から全体を見る


西から石仏の列と一緒に


東から根方を


南から見上げた3枚の合成写真


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