千葉県千葉市の「千葉寺のイチョウ」 (2007.11.9、2007.12.8)


 千葉大学の西川研究室のミーティングは、学生の人たちがきびきびと研究成果を発表し、シニアの研究者やポスドクの人たちが鋭い質問をして新しい研究方向を討論する。そんな学究の雰囲気を時々味わわせて頂きに出かけるのが楽しみである。「木々の移ろい」を贔屓にして下さる西川先生や秘書の篠塚さんの計らいで、黄葉が最も美しい12月の初旬、近くにある「千葉寺のイチョウ」を見に連れていって頂いた。この寺の住職さんは、篠塚さんの親戚筋に当たるそうである。
 千葉寺は元「せんようじ」と呼んだ由である。709年に僧行基の開山とあるから、奈良に平城京が開かれる前年である。平安時代に千葉氏の氏寺となって繁栄し、1180年に石橋山の戦いで敗れた源頼朝が房総に逃れ、千葉寺で再起を誓ったと言われる。江戸時代には、18坊を持ち格式10万石に遇せられた下総屈指の名刹であった。千葉寺のイチョウが開山当時から育ってきたとすると、樹齢1300年と言うことになり、奈良・平安・鎌倉・・・と日本の歴史を見続けてきたことになる。
 樹高30m、幹周8.00mで、県の天然記念物に指定されている。千葉県で12番目の巨木であり、イチョウとしては、市川市の八幡神社の千本公孫樹、市原市三峰神社のイチョウ、勝浦市高照寺の乳公孫樹、市原市熊野神社の大銀杏に次いで第5位である。しかし、根方の風格を考えると、もっと上位になるだろう。
 千葉市の中心部にあるのでアクセスしやすい。京成電鉄千原線の千葉寺駅で降りると、北に400mのところである。JR外房線の本千葉で降りて、南東の青葉の森公園に向かって1kmほど歩いても良い。




見事な気根と、網の目のような根張り


1ヶ月の間に見事な黄葉に変身(左:11月9日、右:12月8日)


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