埼玉県桶川市の「イチョウ桜−医光寺の大イチョウ」 (2010.4.8、葭谷さん)


 葭谷さんからの3つ目は、ちょっと珍しい「イチョウ桜」である。何者かと言えば、イチョウの巨木に桜が宿り木として育ったものである。その桜が満開になった写真を送っていただいた。折しも、今年は第1回の「イチョウ桜フェスティバル」が行われたそうである。
 今は桜の方が有名になったが、元は「医光寺の大イチョウ」と呼ばれていた。銀杏の木は、1991年環境庁調査では、樹高30m、幹周り5.8mとなっているが、写真から見るとおり、樹高は20mに満たないであろう。幹の太さや形から言って、もともと30mあったものが、先端部が切られて低くなったものと思われる。なお、市のデータでは樹高15m、幹周は6.5mとなっている。
 さて、桜がイチョウの宿り木として根付いたのは、人為的な作業の結果である。その顛末は、イチョウ桜フェスティバルを機に、「ふしぎな桜」という本として纏められた。それによれば、昭和40年の春に、このイチョウのある醫光寺(医光寺)の役員をしていた人々が、銀杏の木の祠に桜を植えることを思い立ち、銀杏の木の祠に土をいっぱいに入れて、桜の苗木を植え込んだものが育って花を付けるようになったそうである。
 イチョウ桜は、JR高崎線の桶川駅の北北東約4kmのところにある。桶川駅東口か出るら市内循環バス「東循環」で「東20-3(笹原)」で下車、南に100mほどで国道12号線に出るので、左折して100mほどで左手に医光寺がある。バスは1時間に1便運行されているが、予め通過時刻を見ておく方がよい。駅前から笹原までは20分である。




葭谷さんが撮られた第1回フェスティバルのポスター。(2010.4.8)


イチョウ桜の誕生の顛末を物語にした本。(葭谷さん撮影、2010.4.8)


木々のリストへ戻る