東京都府中市の「大國魂神社の大イチョウ」 (2001.1.8、間野さん)


 府中市の自然を愛する間野さんから、府中の巨木の一つ「大國魂神社の大イチョウ」が届きました。紅葉のイチョウと、雪のイチョウが良い対比になっています。以下は間野さんによる解説です。
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 このイチョウは、樹種別で東京都第2位のイチョウです。
……というと、「鬼子母神のイチョウ」が第2位じゃないの?と言われそうですが、実は「大國魂神社の大イチョウ」は1988年の環境庁調査で報告されなかったため、全国デビューを断たれてしまったのです。
 で、その幹周りですが、9.1m。画家の平岡忠夫さんは860cmとしているので、本当はこちらの数字の方が近いのかもしれないのですが、どちらにせよ8mの鬼子母神より大きいことになります。樹高23m、枝張り21m。
 落雷によって主幹は高さ5mほどのところで失われていて、支幹が高く成長しています。伝承によると、根元に生息するキセルガイというカタツムリを煎じて飲むと乳の出がよくなるとされていて、かつては根元が荒らされ樹勢を損なったことがあるようです。現在はそんなことをする人もいませんので、樹勢は回復してきています。
 樹高や姿の美しさは鬼子母神の方が上ですし、大國魂神社のイチョウはひこばえが多いために単純にランキングに加えていいのか問題もあるかも知れませんが、私が愛する府中の名木ですので、ぜひ全国デビューさせてあげたいと思います。
 余談ですが、1988年の調査で大國魂神社からは幹周3m以上の樹が30本報告されているのですが、詳細な数値が報告されているのはそのうち1本のみ。あとの29本は「その他」扱いにされていました。数値が報告されたのはケヤキで東京都4位のものでしたが、こちらよりイチョウの方が大きく、また、大國魂神社の巨樹がすべて報告されると、東京都の樹種別ランキングが大きく変化しかねないほどの巨樹が何本もあります。
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 大國魂神社は、JR武蔵野線の「府中本町」で降りて、北東200mの所にあります。東京競馬場の北にあたります。
 なお、間野さんは杜の街 武蔵府中と言う、府中市の自然を紹介する素敵なページを作っておられます。



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