2017年3月に熊谷市の馬場さんから、「福島県伊南村に大イチョウがありますよ」と教えていただいた。福島県でもかなりの辺境なので、この木に思い入れのある馬場さんはきっと近在の方に違いないと思って伺ったら、隣村の出身だと言うことであった。この木を写しに行くには、電車バスを乗り継いで1日がかりになるので、「もし帰郷されることがあれば、是非写真を撮ってきて下さい」とお願いした。嬉しいことに、5月の連休明けに、馬場さんから写真と共に次のようなメールが届いた。 「連休で行ってきました。5月3日なのに桜は満開過ぎたあたり、したがってイチョウはまだ芽吹いていません。豪雪地帯に有りながら、あまり傷んでいません。 元地元ながら見事なイチョウだと思います。銀杏のある伊南小学校は移転で廃校になったようで、校庭は残雪で入れず良い角度から取れませんでしたが全体像はつかめると思います。」その写真は、HP用に縮小したので元の迫力は減っているが、下段に見るように素晴らしいものである。 古町の大イチョウは、案内板によれば、幹周11m、樹高35m、樹齢は800年と伝承され、福島県の天然記念物に指定されている。かつては校庭を陰にするほどの枝張りであったが、落雷などで小さくなったと記されている。この辺りの標高は570mであるので、この樹も永く豪雪に耐えてきたことであろうが、樹勢はすこぶる良好に見える。校舎が移転して、伊南小学校の子ども達の心のシンボルが消えたことは、少し残念である。 この樹を見るには、浅草から日に3本出る特急「リバティ会津」に乗って会津田島で降りる。会津島田から内川行きのバスが日に4本出ているが、両方を乗り継いで1日で戻ってくることは難しい。会津島田で1泊する必要がある。朝7時過ぎに東京を出て鬼怒川温泉から会津若松行きの特急に乗れば、会津田島12:00発のバスに間に合って、何とかその日の内に戻れそうだ。 車で行くには東北道の西那須野塩原で降りて国道400号線に入り、塩原温泉を経て上三依塩原温泉口から会津西街道/日光街道(121号線)を北へ、早坂の三叉路を南下して352号線へ。長い山道を走って沼田街道(401号線)との三叉路に出たら、道を北に取って6km程で古町に着く。古町たばこ屋のバス停の手前を左折すると、大イチョウと小学校が見えてくる。 |