京都大学理学研究科の寺嶋先生が、オーストラリア出張の折りに、私の巨木ページのことを思い出して撮ってきて下さった写真である。ケアンズで学会があった由で、その地で有名なCurtain Figの巨木である。 クワ科イチジク属の木は、アコウやガジュマルに見られるように、気根を発達させて、寄生主であった樹木より大きくなり、これを絞め殺してしまうことが多い。このカーテンフィグもその典型で、寄生した木が重みに耐えかねて斜めに倒れ込んだ状態になると、まるでカーテンのように気根を伸ばし斜めの状態のままで自らを補強していく。更に支柱となった隣の木にも巻き付いて、これも倒していくという恐ろしい成長を続ける。最下段の写真は当地にあった、その成長の説明板である。 ケアンズ近郊の山中にあるこの木は、中でも特に巨木に育ったもので、観光名所の一つになっている。 Curtain fig treeの学名はFicus virensである。 |