倉吉から鳥取に向けて各駅停車に乗ると、2つ目が「泊」の駅である。たった一人降り立った駅には期待していたタクシーもおらず、しばし途方に暮れた。駅前の電話からタクシーを呼ぼうとしたが、出ない。後で聞くと廃業したとのことであった。結局遠くの駅から来るタクシーを、ジュースの自動販売機がポツンと置いてある駅で、しばらく待つことになった。 タクシーの運転手も木の在処を知らず、ともかく筒地まで行って尋ねることにする。留守の家が多くて、教えてもらえずに探した末に、神社の隣の高台にポツンと立っている木を見つけた。墓所になっているらしく、周りには小さな墓石が並んでいる。 木の幹は確かに太く、7.2mの記録通りと思われたが、かなりの空洞が出来ていて痛々しかった。枝はおそらく台風で折れたものであろう、一枝だけが茂っており木全体は「くの字」型に曲がっている。手当をしないと早晩枯れそうに思われた。真新しい「村指定文化財」の標識が対照的であった。 |