和歌山県美浜町の「竜王神社のアコウ」 (1998.7.22)


 JR紀勢西線の御坊で降りて、日の岬行きのバスに乗る。 途中のアメリカ村で下車し、左手のこんもり茂った森の方に歩く。 道が入り組んでいて細いので、不安になるが、どの道を行っても やや小高い竜王神社に着く。この神社の社叢も天然記念物になっており、 ここにもアコウが生えている。
 竜王神社の門をくぐると、境内はアコウが全てを占めている。蛇が巻き付いたような 異様な形に圧倒される。南北2つの大枝に分かれているが、南の枝は、ウバメガシを 巻き込んでいて、こちらは早晩枯れそうに見える。気根も垂れ下がっている。 じっと見ていると、自分まで呑まれそうな気がしてくる。それに耐えて、 人っ子一人居ない真夏の昼を、しばらく神社で過ごした。
 アコウはアジア東部の亜熱帯植物で、有田市が和歌山県での北限である。 根周り10m、樹高11m、樹齢300−350年で和歌山県下では最大のアコウで、 県指定の天然記念物となっている。




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