北海道斜里町の「遠音別岳山麓のアカエゾマツ」
 (2012.4.30、Hiroaki.Sさん)


 Hiroaki.Sさんが遠音別岳山麓で見付けられたアカエゾマツの巨木。以下は送っていただいた文章です。
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    北海道斜里町 遠音別岳山麓の「アカエゾマツ」   撮影日2012.4.30

 知床半島にある遠音別岳周辺の一部は、人の活動によって影響を受けることなく原生状態を保持し、自然環境を保全することが特に重要な地域として、昭和55年に遠音別岳原生自然環境保全地域に指定されています。
 しかし、指定されている地域はきわめて狭い範囲でしかなく、遠音別岳山麓の大部分はこれらの指定地域外で、昭和54年に撮影された航空写真の資料を見ると、見るも無残、遠音別岳山麓のあちこちで目を覆いたくなるほどの大規模な皆伐が行われていたことがわかります。
 広大な遠音別岳山麓のどこかに切り残された巨木の森がないだろうかと常々考えていたのですが、先日、テントを担いで遠音別岳山麓の奥地を歩いてきました。
 体力不足でゆっくり巨木を探す時間がなかったのですが、幹周約485cm(Fig1)と幹周約460cm(Fig2)のアカエゾマツを確認することができました。また、幹周約560cmのミズナラ(Fig3)も確認できました。
 皆伐を免れた地域でも抜伐された切り株が多数見られ、相当の奥地でも人の手が加わっていることがわかりました。甘い幻想は打ち砕かれ、切り株が確認できなかったエリアは、予想よりもかなり狭い範囲でしかなかったようです。
 しかし、手当たり次第探せば、今回確認できた巨木よりも大きな木を見つけることができる可能性はありそうだと感じられましたので、また来年の残雪期に探しにいきます。
 Hiroaki.S
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 頂いたメールには、「いずれの木も標高450〜500m地点にあり、相当に厳しい環境を生き抜いてきた貴重な木だと思います。特にFig1の巨木の周辺は、幹周り2m以上のアカエゾマツが多数林立する、小さなオアシスのようなスポットでした。」とあり、知床の木々を見つめるHiroakiさんの眼の優しさが感じられました。
 なお、Hiroaki.Sさんの知床への想いがこもったEssence of SIRETOKO - 知床の魅力という素晴らしいホームページも、どうぞご覧下さい。

Fig 1. 幹周約485cmのアカエゾマツ


Fig 2. 幹周約460cmのアカエゾマツ


Fig 3. 幹周約560cmのミズナラの巨木


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